2010年8月6日金曜日

マイクロ原子力電池

原子力電池で検索すると、日経BPの2010年5月18日の記事「世界の果てに「原子力電池」」ですが、10年間メンテ不要だから、電池と呼ぶのでしょうが、重さは50トンですから、私のイメージとは異なります。燃料電池という言葉もありますが、電池ってどういう定義されているのでしょうか。そのうち調べてみます。

さて、Transducers 2007レポートの「100年間使える超小型電池でバッテリ交換を不要に 」(Web魚拓)記事が、2007年の技術動向ですが、原子力電池(ここではマイクロ原子力電池となっていますが)の技術を概観するには、いいのではないでしょうか。


電池の寿命をまったく意識せずに済む発電機がMEMS分野では研究されている。放射性同位元素を利用した発電機である。放射性同位元素は、同位体(原子番 号が同じで質量数が違うもの)の中でも、放射線を出しながら徐々に別の元素へと変化していく(崩壊していく)元素のこと。放射線の発生期間は「半減 期」(材料の半分が別の元素に変わるまでの期間)で定義されている。半減期は同位元素の種類によってさまざまで、数秒以内という短いものから、数年~数百 年と長いものまである。

上の図はニッケル63を使ったものですが、

Cornell Universityの研究グループは、ニッケルの放射性同位元素であるニッケル63(Ni-63)を使った超小型発電機の研究を進めてきた。Ni-63 は、動力源として有利な特徴がいくつかある。まず、半減期が非常に長い。100.2年もある。電源の寿命を意識することなく、電子機器を動かせる。発生す る放射線はベータ線だけある。アルファ線とガンマ線は放射しない。そして、これは放射性同位元素に共通なのだが、放射線の強度が温度に依存せず、一定であ る。 

と、紹介されています。で、容量については、

弱点は、発生電力が平均でμWオーダーときわめて低いこと。携帯電話機はとても無理であるし、ノートPCに至っては論外である。現在想定されている用途は、心臓ペースメーカーの電源やセンサーモジュールの待機用バックアップ電源といったところだ。 
 と、されています。


 

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